LAST DAY

電気・電子回路

増幅回路

A級増福回路:無負荷時にもコレクタ電流を流す。
B級増幅回路:バイアスをかけないため、半周期分しか出力されない。プッシュプル回路は2つのB級増福回路を組み合わせ、線形な出力を得る回路。
C級増幅回路:負バイアスをかけるため、出力波形は半周期分以下の波形しか出力されない。
D級増幅回路:スイッチングにより増福するため、理論的に効率は100%とすることが可能。機械式スイッチでは数k~数百kHzの信号を扱えないため、電力用半導体素子(IGBT、パワーMOSFET等)を使う。
http://www-nh.scphys.kyoto-u.ac.jp/~enyo/kougi/elec/node30.html
http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/H17/html/H1704A12_.html
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/30/30391/30391_1syo.pdf

計装アンプ(インスツルメンテーションアンプ)

◾️使用用途:センサの微小信号を増福し、マイコンに入力する。
◾️特徴
・1つの抵抗で増福度を変更できる。
・高い安定性と高い精度が求められる。
・入力インピーダンスが高い(入力電流が低く、消費電流を抑制できる。)
◾️基本的な差動増幅回路との違い
・基本的な差動増幅回路では入力インピーダンスが低く、入力端子に流れる電流が大きくなる。
・基本的な差動増幅回路では、2つの入力端子の入力インピーダンスが異なるため、入力信号の伝搬速度に差異が生じる。 そのため、コモンモードノイズが入力された際に、出力にノイズ影響が出る。(CMRR(コモンモード除去率)が低下)
https://www.analog.com/jp/education/landing-pages/003/inamp-effective-way.html

レギュレータ

  • リニアレギュレータ:出力電圧を監視し、リニアレギュレータIC内部の可変抵抗を制御する。負荷抵抗と可変抵抗の分圧によって出力電圧を制御する。可変抵抗を流れる負荷電流によって電力が消費され熱として失われるため、効率が悪い。入力よりも低い電圧しか出力できない。
  • スイッチングレギュレータ:スイッチング素子を用いて出力電圧を制御する。降圧の場合、出力電圧をPWM信号に変換し、PWM信号をLCローパスフィルタを通すことで平滑化する。昇圧する場合、スイッチングによりコイルの逆起を発生させ、コンデンサにより平滑化することで昇圧した直流電圧を取り出す。スイッチングレギュレータは理想的には効率100%とすることが可能。
  • https://www.zuken.co.jp/club_Z/zz/tech-column/20171025_r002.html

DC/DCコンバータ

トランジスタのON-OFFを制御し、コイルに蓄えられるエネルギーを調整する。トランジスタをOFFした瞬間に逆起が発生し、昇圧することができる。 この時、コイルを流れる電流はトランジスタON時コイルを充電するために流れ(電流増)、OFFするとコイルに蓄えられたエネルギーが放出される(電流減)。 電流が放出されるまでトランジスタOFFを継続するモードを「電流断続モード」、電流が放出しきる前にトランジスタONするものを「電流連続モード」という。




基板設計

ビアのメリット/デメリット

原則:出来るだけビアは減らす。しかし、性能を高めるビアも存在する。

【メリット】

  • 電源グランドを安定させる。
    プレーン層(電源/GND専用の層)にはビアを多く使うことで電位を安定させることができる。
  • ガードパターンを安定させる。
    クロストークノイズを防止するため、高速信号の周囲には安定したグランド配線を行う(ガード・パターン)。
    ガード・パターンは、配線を太くし、周囲にビアを使い安定させる。
    http://www.noise-counterplan.com/article/15035884.html
  • 放熱する。(サーマルビア:放熱用のビア)
    部品で発生する熱を効率良く基板に放熱する。内層のプレーンを使って効率良く放熱できる。

【デメリット】
  • 配線の太さが変わる。
    配線の太さが変わることで、以下が変化する。
    ・許容電流
    ・特性インピーダンス
    ・C成分、L成分が追加される。(パッド間及びクリアランス間:C成分、層間接続部:L成分)
    https://www.atmarkele.com/articles/131

プレーン層の配置

通常、回路の動作確認、修理、波形確認を考慮し、外側に信号線、内側にプレーンを配置する。 ただし、信号線を隠したい場合や配線からの放射ノイズを低減したい場合は外側にプレーン層を持ってくることもある。 https://www.atmarkele.com/articles/138


発電

内部短絡

 発電機の内部短絡は,以下の二つに分けられる.

  • 層間短絡:同じ相に存在する導線間に微小傷や鉄さび,水分等の影響により微小放電が発生し継続すると,その部分が炭化したり,絶縁ワニスやエナメル被覆等が損傷し,さらに放電が進む.結果,層間短絡に至る.
  • 相間短絡:三相発電機において,層間短絡が継続し,絶縁損傷が拡大すると,相間の絶縁が破壊され,相間短絡に至る.

 これらの故障が長引くと系統まで影響が波及する恐れがあるため,速やかに系統と切り離す必要がある.

継電器

 発電機で用いられる継電器には以下のようなものがある.

  • 比率差動継電器:検流器(CT)を発電機の前後に設置し,発電機から流出する電流と流入する電流の大きさの差が生じた場合に,その差分の電流がCT間に並列に設置した過電流継電器に流れ込み,ある値以上になると動作する.内部短絡を検出し,保護することを目的とする.
  • 過電流継電器:発電機出口側に設置したCTを介して過電流を検知する.
  • 地絡過電圧継電器:発電機を変圧器を通して接地し,その二次側の電圧を継電器にて検出することで発電機をトリップさせる.固定子巻線や固定子鉄心の損傷を防止する.ここで用いられる変圧器は接地変圧器と呼ばれる.
  • 界磁地絡継電器:界磁コイルと励磁機と並列に界磁地絡継電器を接地する.一点地絡が生じた場合,励磁機は非接地であるため大きな地絡電流は流れないが,二点地絡が生じると部分短絡状態となり,巻線や鉄心,鉄心絶縁物(積層されたケイ素鋼板間)を焼損したり,磁気的不平衡によって振動が発生する恐れがある.そのため,一点地絡の時点で継電器に流れ込む電流を検出し,警報を発生する.

可変速揚水発電

 従来の定速揚水機で用いる同期発電機は,系統周波数と回転子磁束の周波数が同じ.
 可変速揚水機は,二重給電発電電動機(DFMG)を用いており,送電線から供給された電力が,主変圧器を経て「電動機本体へ供給するもの」と,励磁用変圧器,周波数変換装置を経て「回転子を励磁するもの」に分岐される.
周波数変換装置を経ることによって,回転子の励磁電流は低周波に変換され,回転磁界の回転速度を制御できるようになる.同期速度は,「回転子磁界の回転速度」と「回転子の回転速度」の和であるため,「回転子磁界の回転速度」を調節することにより「回転子の回転速度」を調節できるようになる.(ちなみに,定速機は直流励磁であるため,回転子磁界は回転しない.)
 メリットとしては,

  • 入力調節が可能となることによって,揚水による系統の周波数調整が可能となる.→常に一定だと,電動機側で過負荷や軽負荷状態になり,系統周波数に影響がでる.
  • 上記の理由から,電力系統の動揺に対して抑制する制御が可能となり,系統安定度が向上する.
  • 適切な回転速度で回転することにより,水車効率の向上や振動抑制の効果が得られる.

同期発電機の進相運転

 夜間等において負荷が減少すると,遅れ力率から進み力率に変わり,フェランチ効果によって送電端電圧より受電端電圧が高くなる恐れがある.受電端電圧が高くなりすぎると,負荷の寿命が低下したり,過励磁による温度上昇等が懸念される.これらの影響を考慮し,電気事業法において低圧需要家の電圧変動幅を規定している.また,高圧・特別需要家に関しては法的規制はないものの,概ね5%以内に収めるようにしている.
 このようなフェランチ効果対策として,進相運転が挙げられる.所謂,弱め励磁運転である.軽負荷時にこの運転を採用することによって,系統からの無効電力を吸収し,力率の進みを抑制する.リアクタンスが無効電力を消費するもの,コンデンサが無効電力を供給するものと考えると分かりやすい.フェランチ効果時は無効電力を消費するもの(リアクタンス)がなく,コンデンサによる無効電力の供給が溢れているような状態である.
 この場合,弱め励磁ということで,発電機の内部誘導起電力が低下する.そのため,以下のような点を考慮する必要がある.

  • 固定子コイル端部における漏れ磁束の増加→渦電流損増加→固定子鉄心端部温度上昇
  • 所内電源の電圧低下→所内補機の能力低下
  • 発電機の誘導起電力$E$と端子電圧$V$の位相差(内部相差角$\delta$)が大きくなる→同期化力低下→安定度低下
  • $X_{s} I cos \theta=E sin \delta$
    $P=VIcos \theta =V \cfrac{E}{X_{s}}sin \delta$
    $T=\cfrac{dP}{d \delta}=V \cfrac{E}{X_{s}}cos \delta$


変電

安定巻線付(内蔵Δ)Y-Y結線三相変圧器

安定巻線の効用

  • 第三高調波を還流させる.
  • 零相電流を地面に流す補助をし,二次側一線地絡時の電圧上昇を抑制する.(安定巻線がない場合,二次側を接地していても一次側に零相電流が流れないため片側開放と同じような状態になり,接地線を通じて地面に電流が流れない(零相インピーダンスは高い励磁インピーダンスになる).そのため,対地電圧が上昇する.)

一線地絡電流計算のポイント
  • 零相電流,正相電流,逆相電流がどの巻線に流れるか確認する.零相電流は安定巻線と中性点接地している巻線に流れる.正相電流及び逆相電流は安定巻線には流れない.
  • 以下の地絡電流$I_{g}$の計算式は,対称座標法により導出できる.ここで,$E$は相間電圧,$Z_{0}$は零相インピーダンス,$Z_{1}$は正相インピーダンス,$Z_{1}$は逆相インピーダンスを示す.
  • $I_{g}=\cfrac{3E}{Z_{0}+Z{1}+Z{2}}$
  • 安定巻線に正相,逆相電流が流れない(一次-二次間には流れる)ということは,上式で用いる逆相,正相インピーダンスは等しくなり,一次-二次間の短絡インピーダンスより導出できる.
  • 二次側のみが接地されている場合,一次側には零相電流が流れないため,二次-安定巻線間の短絡インピーダンスを用いて,零相インピーダンスを計算できる.

油入変圧器の経年劣化診断(絶縁紙)

基礎事項及び用語の定義

  • 絶縁紙の主要構成物質:セルロース分子
  • 重合体:複数の単量体が重合したもの.
  • 重合度:重合体1分子中に含まれる単量体の数.

劣化の流れ
  1. 絶縁紙が劣化
  2. 絶縁紙のセルロース分子間の連鎖が切れ,平均重合度が低下
    →引っ張り強度が低下し,もろくなる。
 こうなると,外部から異常電圧が侵入した場合等によって生じる大きな電磁力によって,絶縁紙が破壊される恐れがある.これが絶縁破壊に繋がる.

劣化から平均重合度低下までの流れ
  1. セルロース分子が劣化
  2. アルコールが生成される
  3. アルデヒドが生成される
  4. フルフラールが生成される
  5. カルボン酢酸が生成され,全酸化が増加する
  6. CO,CO2,H2Oが生成され,水分が増加する

経年劣化診断
  1. 少量の絶縁油を採取
  2. アセトニトリル溶液でフルフラールを抽出
  3. 抽出液から高速液体クロマトグラフを用いてフルフラール生成物の量を測定
  4. この量から絶縁紙の平均重合度を推定

遮断器と断路器の違い

遮断器・・・過電流,負荷電流が流れたときに遮断する.消弧能力あり.
断路器・・・無負荷状態で回路を開放できる.消弧能力なし.

自己励磁現象

 同期発電機は,励磁を与えなくとも残留磁気によって電圧が誘起される.そのため,地中送電線のような静電容量の大きい線路に接続すると,充電電流(進み電流)が流れ,電機子反作用(増磁作用)によって発電機端子電圧を上昇させる.その上昇によってさらに充電電流が増加し,ある極限値に達して安定する.この現象を自己励磁現象という.


送電・配電

過電流継電器の動作時間の整定

 直列に過電流継電器が接続されている場合,母線側と負荷側では動作時間が変わってくる.負荷側で短絡事故が発生した場合,これらの継電器は事故による過電流によって動作するが,この遮断が遅くなると事故の影響が母線側にも波及するため,母線を管理する側から要請される時間内に確実に事故点を遮断する必要がある.そのため,継電器に冗長性を持たせ,確実に事故を遮断する.
 3つの継電器を直列に接続する場合を考える.母線側から,Ry1,Ry2,Ry3の順で直列に継電器を接続すると,母線側であるRy1は確実に要請される時間内に遮断されるようにする.Ry2はRy1より,Ry3はRy2より動作時間が早くなるよう整定する(冗長性).各々,図のように整定する.


 もし,整定時間が要求される時間より長くなった場合,最初に動作するRy3,あるいはRy2に瞬時要素を持たせることで,整定時間を調整する.


モノ作り

電波時計の仕組み

◾️概要
標準電波を受信し、アナログ波形をデジタルデータに変換する。デジタルデータから時刻情報を抜き出し、モータ経由で時計に表示させる。
◾️標準電波周波数
東日本(福島局):40kHz
西日本(九州局):60kHz


inserted by FC2 system